日本企業で英語を社内言語とする動きが相次ぎ、話題を集めている。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングや楽天は、2012年から日常業務や会議などで英語を使用する準備を始めている。外国人社員の採用を増やし、海外事業の本格的展開を目指しての試みである。日本企業は大企業でも中小企業でも、基本的に国際市場で活動することが求められており、英語を使いこなせる人材は絶対に必要である。ただし、その際に注意すべきことは、英語を英米と結びつけないことであろう。英語は世界の多くの国の人々とかかわる道具と認識する必要がある。世界のビジネスパーソンはそれぞれ独特のクセのある英語を使っているので、日本人もニホン英語を恥じ入る必要はない。そして、企業内の英語研修では、一般的な英会話に終始するのではなく、社員の業務ニーズに適した専門的で発信型のトレーニングが望まれる。また、多くの企業にとって、英語一辺倒は不適切であろう。日本人だけの場面でも英語のみを使用しなければならないというのは滑稽な感じがする。10年ほど前に英語を公用語に定めて話題になったSMKでは、日本語と英語を両立させている。事実、日本企業はいろいろな言語ができる人材を必要としているのではなかろうか。