オーストラリア政府が2012年10月に公表した計画で、アジアとの経済的、文化的関係を深め、25年までに一人当たりの実質国内総生産(GDP)で世界トップ10入りを目指すことなどを目標にしている。同じく25年までに学校制度を世界トップ5とする教育政策では、アジア研究・アジア学習の強化が特色。学校で優先的に学ぶ言語として日本語、中国語、インドネシア語、そしてヒンドゥー語があげられており、アジア4言語に特化していることが注目を集めている。語学教育の促進のため、オーストラリアとアジアの学校をインターネットで結ぶ遠隔教育の普及も計画されている。同国は、もともと移民に対する英語教育の充実に努力すると同時に、全国民が英語以外の言語(LOTE ; languages other than English)を少なくともひとつ学習する必要があるとしてきた。このプランでは、アラビア語、中国語、フランス語、ドイツ語、現代ギリシャ語、インドネシア語・マレー語、イタリア語、日本語、そしてスペイン語の9言語があげられている。また、従来、アジアを人種的、軍事的、経済的脅威ととらえる節があったが、同白書では、アジアはこの30年間で大きな変革を遂げたとし、J・ギラード首相は「今われわれも変わらなければならない」と宣言した。