言語接触(language contact)の結果、英語の語彙や表現が日本語の一部になっているが、同様に日本語の語彙や表現も英語のなかに組み込まれている。伝統的文化を表すZen、 Shinto、zazen、wabi、sabi、sado、tatami、origami、bonsai、judoや、日本食のsushi、sashimi、tempura、sukiyaki、tofu、sobaなどは当然といえるだろう。Kikkomanは食品メーカーの名前ではあるが、英語の中ではしょうゆを意味する普通名詞としても使われている。近年は、manga、anime、 kanban(看版)、koban (交番)、mottainai、kaizen(改善)、kawaii、tomodachi、さらにotaku、karoshi(過労死)やseku-haraなどもある。なお、英語と同様に使われるようになってのち、スペルや意味が変化するものもある。skoshは「少し」のことで、「I ate it a skosh」(少し食べた)のように使う。Honcho(班長)は意味が拡大し、「You are my honcho」(ボスはあんただ)のように使う。アメリカ英語ではhotがハットと発音されるので、honchoも日本語音に近い。また、「I can do it before breakfast」という言い方があるが、これは「朝飯前」から来ている。こういった日本語の語彙や表現は、英語を通じて世界の他の言語に移植されている。このパターンに限らず、どの言語も純粋なものはなく、借用によって混成していくのが普通である。