映画製作に投資して、興行成績に応じて配当を受け取る仕組みの投資商品。1989年の「226」が初めて映画ファンドで製作費を調達した作品となった。当初は税制や投資法の制限があったため法人の出資がほとんどだったが、2004年に「忍―SHINOBI」で、初の個人向けファンドが募集され、製作費15億円の一部が証券会社を通じて一般投資家から調達された。興収(興行収入)、DVDの売り上げに応じた配当金が支払われ、興行不振の場合も一定割合は確保するリスク限定型だった。04年12月に改正信託業法が施行され、知的財産権の受託が可能となり、05年4月公開の「阿修羅城の瞳」が著作権信託による映画ファンドで作られた。09年9月、金融庁は「フラガール」の製作資金を提供したジャパン・デジタル・コンテンツ信託に対して、純資産額が免許基準額を下回ったほか、業務改善に対する取り組みが不十分として免許を取り消すなど、映画ファンドをめぐる状況も波乱ぶくみである。