オムニバスとは元来は乗合馬車のことで、数本の短編映画を特定のテーマにしたがって集めたものをさす。エピソードごとに異なる監督がそれぞれのスタイルで演出しているので、さまざまなタイプの映像世界を楽しむことができるのが、オムニバスの魅力。これまでは主にホラー・ジャンルのオムニバスが多かったが、近年のものはドラマが多い。最近、オムニバス映画が増えている。「歌謡曲だよ、人生は」(2007年)は、昭和のヒット歌謡曲をテーマにした10本で構成。ほかにも夏目漱石の短編をモチーフにした「ユメ十夜」(07年)や、パリの20街区を舞台にし18組の監督が参加したフランス映画「パリ、ジュテーム」(06年 1本5分程度)と目白押し。作品の出来もさまざまだが、短編だけに低予算でできるし、冒険、実験もできるという効果もある。