靖国神社をテーマにした李纓(リ・イン)監督の日中合作ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」(2007年)について、週刊誌が「反日映画が日本の助成金で作られた」と報じたことがきっかけで、自民党議連「伝統と創造の会」の要請で試写会が開かれた。文化庁所管の独立行政法人芸術文化振興基金が助成金750万円を交付したことの是非を国会で質した。文化庁は交付は妥当との見解を示したが、議員側からは「製作スタッフの大半が中国人であることから、助成金の返還を求める」という意見が出された。08年4月から上映を予定していた映画館は、抗議の電話や右翼団体の街宣車による大音響の抗議活動もあって上映中止を決定。配給会社は「表現の自由への危機を感じる」とコメント。上映して観客自身に考えさせる機会を与えるべきではなかったのかという意見も多く、5月から全国10数館で公開された。