宮崎駿監督のアニメーション「崖の上のポニョ」の興行収入が155億円、観客動員が1000万人を突破し、邦画の歴代興行成績の5位内に入る大ヒットとなった。宮崎とすれば「ハウルの動く城」以来、4年ぶりの新作であり、CG全盛時代にあえて手描きにこだわった意欲作でもあった。NHKで何度も彼に関する密着ドキュメンタリーを放送するなど、多くの人が周知していたこともヒットにつながった。長年のコンビである久石譲の音楽も話題を呼び、特に主題歌を歌った9歳の大橋のぞみが人気を呼んで、NHK「紅白歌合戦」にも史上最年少で出場。電通総研がまとめた「消費者が選んだ2008年話題・注目商品ベスト10」では、任天堂のゲーム機Wiiに続いて2位につけている。製作したスタジオジブリは09年4月、アニメに携わる人材育成のための養成所「西ジブリ」を愛知県豊田市に設けると発表。養成所でアニメの作画や構成などを教え、最終的に短編アニメーションを製作してもらうという。