平凡な理髪師が捕虜アメリカ兵を殺害した容疑で戦後B級戦犯として処刑されるという、同名テレビドラマの映画化作品。2008年11月22日公開。橋本忍が脚本を書き、フランキー堺が主演し、TBS(当時の社名はKRテレビ)で1958年に放送されたテレビドラマは芸術祭文部大臣賞を受賞し、日本のテレビドラマの地位を高めるきっかけとなり、翌59年に同じフランキー堺で映画化され、橋本忍が自ら監督した。しかし、橋本と共同で脚本を書くことの多かった黒澤明に「何かが足りない」、脚本家仲間の菊島隆三からは「完成度が低い」と言われたことが長く心に残っていた。2度目の映画化に際し、理髪師の妻子の部分を膨らませて、ようやく完成させた気分になったという。2003年度の文化庁芸術祭大賞を得た「さとうきび畑の唄」や「砂の器」などのテレビドラマを演出した福澤克雄が初監督に当たり、主役の理髪師にSMAPの中居正広が扮し、観客動員187万人、興行収入24億万円を超すヒットとなった。