2009年は太宰治、松本清張、田中絹代らの生誕100年に当たり、さまざまな記念映画が公開された。なかでも人気の高さを象徴するかのように太宰作品の映画化が目立った。根岸吉太郎監督の「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」は第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞し、ほかにも冨永昌敬監督の「パンドラの匣(はこ)」、秋原正俊監督の「斜陽」、アニメ「人間失格」が公開されたほか、10年2月に実写版で「人間失格」が公開される。松本清張の方は新作「ゼロの焦点」が公開されたほか、松竹が長年にわたって製作した旧作の回顧上映を各地で行った。また田中絹代も回顧上映がフィルム・センターや東劇で行われた。10年は黒澤明監督の生誕100年に当たり、黒澤作品の30本一挙上映、展示会の開催、関連書籍物の出版などが企画されている。