かつては共産主義プロパガンダか小市民映画がほとんどだった中国映画界も、市場開放が進み、国家広播電影電視総局の統計によると2001年から05年にかけて製作本数も毎年20~30%増え、08年には406本が製作され、43億元の興行収入を上げている。国産映画が6割を占め、外国映画を初めて上回り、外国へのセールスも3億7800万ドルをあげるまでに急成長。胡錦濤国家主席は「中華文化は民族が団結奮闘する尽きることのない原動力」と宣言し、ソフトウエア、コンテンツを重視する姿勢を明らかにしている。北京市近郊に2億9300万ドルをかけて建設していた国立デジタルシネマ基地が09年7月末に完成。15万haの敷地に、16の巨大なスタジオ、ホテルが建造され、将来はこの3倍にまで拡張される予定。「レッドクリフ」のジョン・ウー監督やチョー・ユンファ、ジェット・リーといった俳優らも続々と中国回帰を果たしている。中國電影集團公司、華誼兄弟伝媒、上海電影集団公司が大手3社で、中国本土に住む13億人にアジア各地に住む華人を加えた莫大な観客層をねらっての積極的な製作が目立っている。