アメリカでは2010年10月に映画会社MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)がアメリカ連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。かつては「空の星よりもスターが多い」と豪語し、ハリウッド・メジャーの筆頭格だったMGMだが、1970年代以降はヒット作が乏しく、傘下のUA(ユナイテッド・アーティスツ)も「007」シリーズを除けば業績不振が続いていた。今回の申請で債務を株式化して約40億ドルの負債額を大幅に削減し、カナダのバンクーバーをベースとする映画製作会社ライオンズ・ゲート・エンターテインメントが筆頭株主となって再生を図ることになる。05年に投資ファンドと組んで同社を共同買収したソニーは、約20%の株を保有していたがすでに全額償却し損失処理を終えている。