縦横の2Dに奥行きを加えた三次元(3ディメンション=3D)の立体感のある映像を得られるように作られた映画。2010年は3D元年と呼ばれるほど多くの3D映画が公開された。3Dスクリーンも09年の300強から10年には750まで急増し、興行収入100億円を超えた3作品「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」「トイ・ストーリー3」はいずれも3Dであった。このほかにも「トロン・レガシー」といったファンタスティックな内容の作品や「シュレック3」といったアニメが3Dとして製作されたほか、「美女と野獣」「トイ・ストーリー1&2」のように2Dオリジナル作品に3D効果を付け加えたものもある。ジョージ・ルーカスも「スター・ウォーズ」シリーズの3D化を発表、まず「エピソード1/ファントム・メナス」を2012年に公開する予定だという。「アバター」のジェームズ・キャメロン監督は「25年以内に3Dは2Dから標準フォーマットの座を奪うだろう。これは映画だけではなく、スポーツ、音楽のショーでも同じだ」と発言。香港では1991年のソフトコア「肉蒲團(にくぶとん)」を3Dでリメークし、衰退ぎみの映画産業の底入れを図ろうとしているが、ビデオの普及にポルノが大いなる推進力になったことを考えると、この試みが注目される。もっとも、眼鏡をかけることのわずらわしさや、立体化する利点があまりみられないこともあって、普通のドラマが続々と3D化するまでには至っていない。