2011~12年、小惑星イトカワでサンプルを収集して7年間60億キロの宇宙の旅を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の業績を描く映画が相次いで4本も作られた。いずれもJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力を得て製作されているが、11年5月、最初に公開された角川映画の「はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」(上坂浩光監督)は、プラネタリウム用CGアニメを劇場用に作り直したドキュメンタリー・アニメ。11年10月には、20世紀フォックス製作の「はやぶさ HAYABUSA」(堤幸彦監督)が公開。竹内結子がJAXAの広報員を演じている。3作目は、12年2月公開の東映の「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督)。渡辺謙、江口洋介が主演で、あまり知られていない科学者、技術者に焦点を当てた作品。4作目は、12年3月公開の松竹の「おかえり、はやぶさ」(本木克英監督)。杏と藤原竜也のコンビで描く作品で、特徴は3D版(2D版もあり)であり、宇宙好きの子ども一家を織り込んだオリジナル・ストーリーであるところ。4作品それぞれの見所が違うが、いずれも「はやぶさ」プロジェクトに取り組んだ人々の熱意と情熱を描き、さまざまな困難を乗り越えて偉業を成し遂げた「はやぶさ」に感動する内容となった。