往年の名画を見ることが困難になってきているが、2010年2月から「午前十時の映画祭」と銘打った洋画の名作上映が全国25の劇場で行われている。第1回は赤の映画祭として「アラビアのロレンス」「ゴッドファーザー」「ローマの休日」など50本を上映(全劇場で同時上映ではなく、それぞれの劇場で独自スケジュールを組んでの興行)。11年の第2回は青の映画祭として「風と共に去りぬ」「E.T.」など50本が上映された。ちょっと変わった名称は「何時から上映しているのかわかりにくい」という声にこたえて、毎日午前10時から上映しているということをアピールするためであるが、終日上映している映画館が2、複数回上映している映画館も4ある。洋画に限定しているのは、日本映画は各社独自の上映企画が行われているし、東京国立近代美術館フィルムセンターでも上映しているからだ。第3回は「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」と題して12年3月3日から13年2月15日までの期間、1950~70年代を中心にした青の映画祭作品を再上映。オリジナルのマスターネガから新たにプリントしたものを使用しており、当映画祭でのフィルム上映はこれが最後となる。1作品を1週間上映し、入場料は一般1000円、学生500円と安いので、映画ファンにはうれしい企画と言えよう。