映画のPR、宣伝をする会社。マスコミ向けの試写会もPRの仕事である。かつては映画会社の中に宣伝部があったが、35年ほど前に細かなP&A(Publicity and Advertisement=広報&宣伝)を行う、宣伝PRに特化した会社が生まれ、近年はこれらの宣伝会社に依頼するケースが多くなった。会社組織のほかに、個人で請け負うフリーの映画宣伝プロデューサーもいる。映画宣伝の仕事は、場合によっては撮影現場から製作にかかわり、メーキングを撮影したり、洋画の場合は内覧試写を見て、配給会社と宣伝方針を打ち合わせ、スタッフ、キャストの来日やマスコミ取材をセットしたり、記者会見やイベントを仕掛けるとともに、試写会など、新聞・雑誌、テレビ・ラジオなど複数のメディアに対する宣伝戦略、交渉を行う。また口コミ効果を狙って一般試写会も行い、雑誌のプレゼント枠を押さえ告知を図る。基本的には公開初日の劇場立ち会いまでが仕事の範囲となる。かつては男性スタッフが多かったが、近年は女性の進出が目立つ。しかし最近は不況のために配給会社が自社の宣伝スタッフでまかなうケースも出てきており、2011年12月には、中堅のメディアボックス宣伝部が一時解散となり、「トロン:レガシー」「トイ・ストーリー3」などの映画宣伝を請け負っていたリベロが1億2000万円の負債をかかえて倒産するなど、映画宣伝の世界も厳しいものがある。