日本映画製作者連盟(映連)の発表した2011年度の統計から、日本の映画産業にかげりが見られることがわかる。1993年に日本初のシネコンが設立されて以来続いていた、シネコンの建設ラッシュがとまり、東日本大震災の影響で40スクリーンが閉鎖されたこともあって、スクリーン数は前年より73も減って全部で3339。映画館入場者数は1億4472万6000人で、前年の83%と大幅に減少し、それに比例して興行収入(興収)も前年の82.1%の1811億9700万円で2000億円の大台を割ってしまった。邦画洋画の興収比率は邦画54.9%、洋画45.1%で、2008年以来の邦高洋低が続いている。公開本数は799本、うち邦画が441本、洋画が358本。平均入場料金は1252円だった。不振の原因については、大震災の影響や特別料金を徴収できる3D作品にヒット作がなかったことが挙げられる。10年は過去最高の2207億3700万円の興収があり、「アバター」の156億円を筆頭に興収50億円以上の作品が6本もあったのに対して、11年は1本もなく、第1位の「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」も100億円に届かぬ96.7億円だった。以下「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(88.7億円)、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」(68.6億円)、「コクリコ坂から」(44.6億円)、「劇場版ポケットモンスター ベストウィッシュ『ビクティニと黒き英雄ゼクロム』『ビクティニと白き英雄レシラム』」(43.3億円)の順だった。