2012年、日活が創立100周年を迎え、記念事業として川島雄三監督による時代劇「幕末太陽傳」がデジタル修正され、「キューポラのある街」「にっぽん昆虫記」といった日活の代表作とともに海外でも巡回上映された。ほかにも国立近代美術館フィルムセンターや有楽町、神保町、中野などでの映画館で日活特集が組まれ、ポスター、衣装、関連資料などの展示も行われた。日活は1912年9月10日にエム・パテー、吉沢商店、横田商会、福宝堂の4社が合併して日本活動写真株式会社として発足。東京の多摩川撮影所では現代劇、京都の太秦撮影所では時代劇を撮り、池田冨保、溝口健二、伊藤大輔、山中貞雄、マキノ正博、内田吐夢らの監督や、目玉の松っちゃんこと尾上松之助、阪東妻三郎、大河内傳次郎らのスターを擁して数々の作品を製作、配給した。戦時中の43年に内閣情報局の方針で映画会社の統合整理が行われ、日活は新興キネマ、大都映画との合併を余儀なくされて大日本映画製作株式会社(大映)が作られた。日活の歴史はいったん途絶えることになったが、戦後の53年に再建された。したがって100周年といっても実際には90周年ということになる。54年6月の「国定忠治」「かくて夢あり」の2本で再スタート。石原裕次郎、小林旭、浅丘ルリ子、吉永小百合といったスターを輩出し、アクションや青春ドラマを製作したが、70年代に経営不振に陥り、ロマンポルノに活路を求めた。その後、ゲーム会社ナムコ、インデックスの傘下となり、2009年から日本テレビが筆頭株主となっている。12年には鈴木清順監督の「野獣の青春」(1963年)を香港映画界のジョン・ウーが翻案再映画化することが決定したほか、3本のリメーク企画、インド映画界との業務提携も発表されている。