近年、アラブ首長国連邦を形成する首長国の一つアブダビの、映画会社イマジネーションアブダビが製作にからむハリウッド映画が目立つようになった。同社は2008年にアブダビメディアコーポレーションの子会社として設立され、国際部門であるイメージ・ネーション・インターナショナルが、アメリカやシンガポールの映像会社と提携して、「クレイジーズ」「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」「ゴーストライダー2」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」「メン・イン・ブラック3」などに資金を投下。中東および北アフリカ地区の有力メディア・ハブを目指して政府主導で設立されたツーフォー54社(社名は北緯24度、東経54度=アブダビの位置に由来する)の教育部門と組んで毎年短編コンテストを開催。入賞者6人は3カ月のトレーニングを受け、優勝者はイマジネーションアブダビが製作する長編映画の脚本を執筆する機会が与えられる。アラブにおける映画の人気は高く、また同じアラブ首長国連邦に属するドバイでは「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」のロケが行われ、ドバイ国際映画祭にはハリウッドの新作が出品されるなど、国際市場におけるアラブ映画界の影響力は年々強まっている。