2011年4月に神奈川県川崎市に開校した日本映画大学は、映画製作と理論を学ぶ4年制の単科大学で、定員は140人。映画監督の今村昌平が1975年に設立した2年制の横浜放送映画専門学院を前身とし、85年の川崎市への移転を機に3年制の日本映画学校となり、96年に映画評論家の佐藤忠男が学長に就任した。実習中心の教育方針が結実して、監督の三池崇史、本広克行、佐々部清、脚本家・演出家の鄭義信(チョン・ウィシン)、カメラマンの山本英夫、タレントのウッチャンナンチャンらを世に送り出した。近年、専門学校が先細り傾向にあるのも大学移行の理由のひとつとみられる。1975年創立の日活芸術学院は2013年3月に閉校、以後は城西国際大学メディア学部映像芸術コースに継承されることとなった。映画学科や映画講座を持つ一般の大学もあり、日本大学の映画学科は映画の製作者だけでなく、研究家、評論家、シナリオライターの養成を目指している。大学に対して、東京・渋谷にある映画美学校は他の学校で学んでいたり、社会人、フリーターなどがウイークデーの夜間や、土日の昼間に映画作りを学ぶというセカンドスクール型。1997年に始まったアテネ・フランセの映画美学技術講座を母体とし、98年からは映画製作・配給を手がけるユーロスペースと共同設立で、映画美学校と改称し、2000年には特定非営利活動法人となった。2年制で週2日、1日2時間半の講習を受け、1年目は映画の自主製作、2年目はプロをめざす授業を行っている。プロの監督になった卒業生に「呪怨」の清水崇、「サウダーヂ」の富田克也、「今日、恋をはじめます」の古澤健、「真夜中からとびうつれ」の横浜聡子などがいる。