現在の日本映画の多くを占めるのがコミックのアニメ化とテレビシリーズの映画化である。これらの作品には「劇場版」あるいは「THE MOVIE」などが副題的に入れられ、劇場映画であることをアピールしている。特にテレビシリーズの劇場版は増加傾向で、実写作品だけでも2013年は「鈴木先生」「ストロベリーナイト」「相棒」「タイムスクープハンター」「ATARU」「おしん」など1ダース以上の作品が公開された。いずれもドラマを放送しているテレビ局が製作に関与しており、ドラマと同じ俳優が出演し同じ監督が演出しているのが特徴。ただし「おしん」はドラマを放送したNHKではなく、TBSが製作委員会に加わり、オリジナル放送から30年も経つ異色作。俳優は一新されているが、母役だった泉ピン子は別の役で出演している。テレビ局にとっても、映画の公開でドラマへの関心が高まり、視聴率アップにつながるメリットがある。また、フジテレビが1991年に放送した「101回目のプロポーズ」を中国語に翻案した日中合作「101回目のプロポーズ~ SAY YES ~」(2012年)には、オリジナルの主演である武田鉄矢がゲスト出演していた。アメリカでも、人気テレビシリーズ「ヴェロニカ・マーズ」の映画版がクラウドファンディングによって実現し14年3月公開予定で、「アントラージュ★オレたちのハリウッド」の映画化も決定している。