アメリカ映画協会(MPAA Motion Picture Association of America)の発表によると、2015年、カナダを含めた北米市場における映画総興行収入(→「配収/興収」)は111億ドルで前年比8%増。うち3D作品は前年より7本少ない40本だが、興収は前年比20%増の17億ドルで、興収全体の15%を占めた。アメリカ・カナダの人口の69%に当たる2億3530万人が、少なくとも年に1回は映画館に足を運んだ(前年比2%増)。月1回以上観るファンのうち、年代層では25~39歳が最も多く24%だが、その他の世代(2~11歳、12~17歳、18~24歳、40~49歳、50~59歳、60歳以上)は11~14%と拮抗しており、特に60歳以上で14%とリタイア世代の根強い人気が窺える。平均入場料は8ドル43セントで前年より3%の値上がり。公開本数は708本で前年より1本減。スクリーン数は4万3661(アナログ・スクリーンが1109、デジタル・非3Dが2万6111、デジタル3Dが1万6441)となっている。同じく16年の北米市場は、映画総興行収入が114億ドルで前年比2%増。うち3D作品は52本で前年より12本も増えたが、興収は16億ドルと6%減。興収全体に占めるシェアも14%に下がった。年1回以上足を運ぶ入場者数は、人口の71%に当たる2億4600万人でこちらも前年比2%増。月1回以上観るファンのうち、年代層では前年と変わらず25~39歳が最も多いが23%とやや減。次いで60歳以上が15%、2~11歳が14%で続いている。公開本数は718本で前年より10本増。スクリーン数は4万3531(アナログ・スクリーンが872、デジタル・非3Dが2万5914、デジタル3Dが1万6745)。平均入場料は8ドル65セントで前年比3%増。 また映画の興行成績を集計・分析するウェブサイト「Box Office Mojo(ボックス・オフィス・モジョ)」の興行収入統計によると、16年の各スタジオのシェアは1位がブエナ・ビスタ(ディズニーの配給会社)で26.3%(興収30億ドル、16本のリリースのうち「ファインディング・ニモ」「ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「シビルウォー:キャプテンアメリカ」が4億ドルを超えた)。2位がワーナーの16.7%(19億200万ドル、「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」が3億3000万ドルのヒット)。以下20世紀フォックスが12.9%(14億6800万ドル、最高興収作品はマーベル・コミック原作の「デッドプール」)、ユニヴァーサルが12.4%(14億798万ドル、同「ペット」)、ソニー/コロンビアが8%(9億1131万ドル、同「ゴーストバスターズ」)、パラマウントが7.7%(8億7677万ドル、同「スタートレックBEYOND」)、ライオンズゲートが5.8%(6億6499万ドル、同「Boo! A Madea Halloween」[邦題未定])となっている。同じく17年の各スタジオのシェアは、1位がブエナ・ビスタで21.8%(興収24億1044万ドル、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「美女と野獣」が5億ドル超え)、2位がワーナーで18.4%(20億3497万ドル、「ワンダーウーマン」が4億ドル超え)、以下ユニヴァーサルが13.8%(15億2893万ドル、最高興収作品は「怪盗グルーのミニオン大脱走」)、20世紀フォックスが12%(13億2600万ドル、同「LOGAN/ローガン」)、ソニー/コロンビアが9.6%(10億5989万ドル、同「スパイダーマン:ホームカミング」)、ライオンズゲートが8%(8億8496万ドル、同「Wonder」[邦題未定])、パラマウントが4.8%(5億3427万ドル、同「トランスフォーマー/最後の騎士王」)の順となっている。