真山青果(まやませいか 1878~1948)による赤穂浪士の敵討ちを題材にした連作史劇の総称。「最後の大評定」「御浜御殿綱豊卿」「南部坂雪の別れ」「大石最後の一日」など10編からなる。綿密な考証と近代的精神から深く造形された人物像により、歌舞伎・文楽の代表作「仮名手本忠臣蔵」とならび、完成度・上演回数からも忠臣蔵ものの双璧とされる。青果の長女で劇団新制作座を主宰し、2006年3月に没した真山美保の演出で度々上演されたが、国立劇場では06年10~12月に、それぞれ中村吉右衛門、坂田藤十郎、9代目松本幸四郎の主演で史上初の全編連続上演が行われた。