1917年2月5日生まれ。父は新派俳優山田九州男。30年日活入社。戦前から映画女優として活躍し、「祇園の姉妹」(監督・溝口健二)、「たけくらべ」(監督・五所平之助)、「流れる」(監督・成瀬巳喜男)、「蜘蛛巣城」(監督・黒澤明)などの代表作は、いずれも日本映画史上の名作に数えられている。67年東宝と契約。「たぬき」「愛染高尾」「太夫さん」などの主演舞台は、いずれも高い評価を得て再演を重ねた。美貌に加え、幼少から培った三味線、清元、日本舞踊などの素養と、女優としての高いプロ意識を背景に、映画・舞台において常に抜きんでた演技を見せ、初代水谷八重子(1905~79)、杉村春子(1906~97)とならんで昭和を代表する名女優となった。またテレビ「必殺シリーズ」などでも存在感を見せつけて人気を博した。2000年、女優としては初めて文化勲章受章(杉村春子は辞退)。12年7月9日死去。