主に公共の文化施設において、芸術面の責任者となるポストだが、民間施設でこの名称が使われる場合もあり、その実態は様々である。ヨーロッパにおいて、オペラ・バレエ・演劇のような劇場芸術は宮廷とともに発展したので、その運営は君主に任命された貴族や芸術家が担ってきた。近代における民主化の過程において、国家・自治体は文化事業も当然の責務として引き継ぎ、多くの予算を計上してきた。そのため公正でレベルの高い運営を維持するため、経営面(支配人)・芸術面(芸術監督)に適切な人材を配する必要がある。多くの場合、それぞれの予算執行権・人事権を持ち、スタッフや専属の芸術家集団(劇団・舞踊団・オーケストラ・コーラス)、裏方などを統括し、演目の選定や客演芸術家との契約にも責任を持つ。当然、拠点となる劇場・音楽堂や観客組織、諮問・監督機関としての評議員会なども整備された上で、各地域における舞台芸術の中心となり、相互交流の足場となっている。各部門の芸術監督の上に芸術総監督をおく場合もある。