浄瑠璃(三味線伴奏による語り物)の一種。1814年に初代清元延寿太夫が創始。三味線は中棹(ちゅうざお)を用い、発声も高音に特徴があり、技巧を駆使した節回しで上品で洗練された趣があり、耳に快い。歌舞伎では舞踊伴奏や劇中音楽(他所事浄瑠璃 よそごとじょうるり)としてしばしば用いられる。独自に演奏されることも多く、江戸末期以降、女性の習い事としても人気を集めた。5代目延寿太夫(1862~1943)は名人として多くの弟子を育て、歌舞伎との結びつきを強めて社会的地位を向上させた。その曽孫にあたる7代目延寿太夫(1958~)が現在の家元。また、清元志寿太夫(1898~1999)は近年における美声の名人として、長らく歌舞伎の舞台でも敬愛を集めた。1982年文化功労者。