旧東ドイツの演出家W.フェルゼンシュタインが提唱した概念で、高度な演劇性を持つオペラ上演のこと。1970年代以降は、演出中心の演劇である「レジーテアター」概念と結びつき、時代設定などを変更してオペラを現代的に読み替える演出の流行へとつながった。それは過去の作品を現在の聴衆に受け入れやすくする方法でもあり、またオペラを延命する処理だともされている。R.ベルクハウスやG.フリードリヒ、H.クプファーといった旧東ドイツの演出家が代表的だったが、90年代には多彩な顔ぶれの演出家が登場。なかでもペーター・コンヴィチュニーは最右翼である。