1914~2006年。作曲家。享年91。北海道出身で、独学で作曲を学び、音楽学校出身者や東京の作曲家などを差し置いて作品が評価された。在野の人だったが、東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)は戦後すぐに講師に招聘。西洋のみならず東洋の音楽の研究を土台にして器楽・声楽に斬新なスタイルを築き、また力強いリズムの反復を多用した「伊福部節」ともいえる独特の語法を獲得したが、戦後の前衛音楽の流れにはくみさずに、映画音楽の作曲家として名を保つ時期があった。さまざまな映画を担当したが、「ゴジラ」のような怪獣映画には欠かせない作曲家でファンも多かった。前衛が行き詰まった80年代に再評価されはじめ、晩年の二十数年間は戦前・戦中・戦後期の、あらゆるジャンルの作品がファン以外の多くの聴衆にも聴かれるようになった。弟子も多く、また管弦楽法についての著作など、教育者としての功績も大きい。