近代の西洋音楽では、一般にリズム(律動)、メロディー(旋律)、ハーモニー(和声)の三つを主要な要素と考える。リズム(rhythm)は音の長短や強弱によって音の時間的な経過に秩序を与えるもので、リズムなくして音楽は存在しえない。リズムにおいて音の長短や強弱が規則的に現れるとき、それを拍子(拍節 time)と呼び、強拍・弱拍の配置によって2拍子、3拍子、4拍子などの区別が生じる。タイ(同じ高さの音を結ぶ記号)などによって、強拍・弱拍の位置関係が逆転することをシンコペーション(切分音 syncopation)、また、一定の拍子内で音の長さを増減して演奏することをテンポ・ルバート(tempo rubato 伊)という。メロディー(melody)は音が高さを変えながら移動することによって生じるが、リズムを伴わない音高変化はメロディーと呼ばないのが普通である。複数の異なる旋律が一定の秩序のもとで同時に進行する音楽はポリフォニー(多声音楽 polyphony)と呼ばれる。ハーモニー(harmony)は縦に重なった複数の音(和音)が連なったときに生じる現象で、古典・ロマン派音楽のように1個の旋律をハーモニーが支えるものをホモフォニー(和声音楽 homophony)という。ハーモニーには音がよくとけ合う協和音と、とけ合わない不協和音があり、緊張をはらんだ不協和音が安定した協和音に進むことを不協和音の解決と呼ぶ。19世紀末ころから音色も音楽の要素として重要視される。