音域によって高い方から女声をソプラノ(soprano)、メッゾ・ソプラノ(mezzo soprano)、アルト(alto)に、男声をテノール(テナー tenor)、バリトン(baritone)、バス(bass)に分けるのが普通であり、テノールに近いテナー・バリトンやバスに近いバス・バリトンを区別することもある。また同じ声種でも、叙情的表現に適したリリック・テナー、劇的な表現力を持つドラマティック・ソプラノ、高音域の華麗な技巧を駆使するコロラトゥーラ・ソプラノといった区別もなされ、特にオペラの配役で重要な役割を演じる。17、18世紀のオペラでは、去勢された男性歌手であるカストラート(castrato)が、子供のような声のまま力強い発声ができるとして人気を呼んだ。彼らが歌ったパートは、今日では女声や、あるいは男声ファルセット(裏声)のカウンターテナー(countertenor)が担当する。