オーケストラのための最も大規模な楽曲で、ソナタ形式による急速な第1楽章、2部または3部形式の緩やかな第2楽章、メヌエットまたはスケルツォ(軽快な3拍子音楽)の第3楽章、ロンド形式またはソナタ形式による速い第4楽章という四つの楽章からなるものが多い。18世紀後半にハイドンによって確立され、モーツァルト、ベートーベンとともに発展して古典・ロマン両派の主要なジャンルとなった。本来は純粋に音楽的な構成原理による絶対音楽だったが、ベートーベンは第九交響曲に声楽を入れて表現を拡大し、ロマン派になるとメンデルスゾーンの「イタリア」「スコットランド」、ベルリオーズの「幻想交響曲」などの標題つき交響曲も誕生した。