微分音、すなわち半音より狭い音程を部分的ないしは全面的に用いた音楽。伝統的な西洋音楽では半音が音程の最小単位だったが、20世紀初頭以来、音の素材を拡張するために4分の1音(4分音)、6分の1音(6分音)などの微分音を用いる試みがなされた。アメリカのアイブズ、ハンガリーのバルトーク、ユダヤ人のブロッホらが民族音楽などの影響で作品の一部に微分音を用いたほか、アロイス・ハーバやラモンテ・ヤングのようにその用法を組織化した作曲家もいる。現代のトーン・クラスターや電子音楽でも、微分音の使用は一般化している。ピアノなど音程の固定した楽器では実現不可能で、弦楽器や電子楽器を用いることが多い。