アレアの音楽(aleatoric music)、または不確定性音楽、チャンス・オペレーション(chance operation)の音楽ともいい、作曲家が音楽の構成要素や構造を確定せず、演奏者が図形楽譜などを手掛かりとして、任意に音を組み合わせる音楽を指す。伝統的な音楽の論理性や形式秩序に反対してジョン・ケージが1950年代初頭から提唱し、シュトックハウゼン、ブーレーズ、リゲティ、一柳慧らが発展させ、現代の音楽に大きな影響を与えた。偶然性の音楽は演奏ごとに異なるので、従来の「作品」という概念は崩壊し、音楽そのものの在り方にも根本的な変革が生じた。