端的に言えば沖縄三味線。胴に蛇皮を使用するので、かつては蛇皮線(じゃびせん)と呼んでいた。沖縄音楽の普及によって、沖縄での「さんしん」という呼称に置き換えられた。この系統の楽器はもともと中国大陸から伝わった。一説にはチベットのダムニアンが源と見られ、元の時代に蛇皮を張るようになり、琉球が明の支配下にあったころ沖縄に伝わったとされる。それを改良して沖縄独自の楽器に育てたのは赤犬子(あかいんこ)という人物というのが定説。蛇皮線は、16世紀に大阪の堺に伝わり、皮を猫に替えて三味線となった。沖縄の三線は普通の三味線より胴が小さく、棹(さお)も細い。しかも三味線のバチに当たるものは使わず、人さし指にはめた義爪で弾くので、音が小さく響きが短いのが特徴。