アルジェリア北海岸の港町オランの近郊の伝統的な歌をもとにして 1980年代に盛んになった音楽で、フランスのアルジェリア移民を媒介して若いフランス人に伝わり、ロックのサウンドを取り入れたポップ・ライとなって世界に広まった。原形とされるルーツ・ライは、遊牧民族ベドウィンの女性たちが男性への抗議の気持ちを歌ったものと言われ、シェイハ・リミッティなどの女性歌手が激しい感情をむき出して歌っていた。ポップ・ライへの変化を主導したのがシェブ・ハレドで、リミッティの持っていた抵抗精神を受け継ぎながらも音楽性の幅を広げた。後に若者を意味するシェブの称号を捨ててハレドだけに改名した。他にシェブ・マミ、シェブ・カデール、シェブ・サラーウィ、それに女性のシェバ・ファデーラ、シェバ・ザウァニアなど多くの歌手たちが活躍し、地中海沿岸地域で大きな存在であり続けた。