モ口ッコ、アルジェリアなど北アフリカの地中海沿岸一帯(マグレブと呼ばれる)で、民衆の歌、現代歌謡を指して幅広く使われる言葉。それだけにひとくくりで語るのは困難だが、最近になってこの言葉が話題となったのは、フランスで1980年代に人気の高かったロックグループ、カルト・ド・セジュールのボーカリストだったラシッド・タハが、アルジェリア生まれの原点に帰ってアラブ色むき出しのアルバムを作り、注目された2003年ごろからだろう。さらにシャアビの元祖とされるエル・ハジ・モハメッド・エル・アンカ(アルジェリア生まれ)や、名曲「ヤー・ラヤーハ」のダハマヌ・エル・ハラシ(アルジェリア生まれ)のアルバムが日本でも出た08年あたりで、シャアビという概念がまとまって見えるようになり、ワールド・ミュージックの新しいポイントとして認識され始めた。