アフリカ大陸の東南寄りの各地に分布する楽器。基本的に分厚い単行本くらいの平たい木の箱の表面に、弾力性に富む数本の鉄線を一端だけ固定し、他端を指で弾くように作り上げたもので、英語での通称で一般に知られるが、現地名はサンサ、ムビーラ、リケンベなど地域により異なる。南アフリカの会社が商品化してカリンバという名称で売り出し、1960年代にアメリカの黒人ミュージシャン、モーリス・ホワイトがステージで使用して広く紹介した。80年代前後には渋谷などの民芸品店でもケニアあたりの製品をよく見かけた。日本のミュージシャンたちがこの楽器に本格的に目覚めたのは、タンザニアのフクウェ・ザウォーセ(2003年死亡)の影響で、彼の楽器は横幅が30センチを超える大型だった。また05年以来コンゴのグループ、コノノによる電気化した親指ピアノのサウンドも話題になった。08年6月には横浜で約10組近い日本の多様な親指ピアノ(電気化も含む)グループが集まって、フェスティバルが行われた。