イタリア語では歌を意味し、日本ではイタリアの流行歌という意味で使われている。広義には民謡や古いナポリ歌謡やオペラのアリアや歌曲を含み、狭義には1950年代以降のイタリアの流行歌を指す。サンレモ音楽祭で優勝したドメニコ・モドゥーニョ(Domenico Modugno 1928~94)の「ボラーレ」が1958年に世界的にヒットしたのを受けて、60年代から70年代にかけては日本にもサンレモ音楽祭関連の曲が紹介された。日本語バージョンも多数作られ、伊東ゆかりがサンレモ音楽祭に出演したこともある。当時の人気歌手にはクラウディオ・ビルラ(Claudio Villa 1926~87)、ミーナ(Mina 1940~)、ミルバ(Milva 1939~)、ジャンニ・モランディ(Gianni Morandi 1944~)、アドリアーノ・チェレンターノ(Adriano Celentano 1938~)、ジリオラ・チンクェッティ(Gigliola Cinquetti 1947~)らがいる。「オー・ソレ・ミオ」「チャオ・チャオ・バンビーナ」「アル・ディ・ラ」「ほほにかかる涙」「夢見る想い」などは日本でもよく知られている。ロックの影響を受けた歌手が増えてからのイタリアのヒット曲は日本にあまり紹介されておらず、90年代以降では「カルーソー」がスタンダード化している程度。