英語で民間伝承・民間芸能を意味する言葉フォークロアをスペイン語読みしたもので、音楽では中南米のスペイン語圏の民謡や民謡風の都市音楽を総称する言葉として使われる。先住民系、ヨーロッパ系、メスティソ(スペイン人との混血)系、アフリカ系ならびにムラート(アフリカ系との混血)系の音楽などに大別できるが、これらが複合的に混じり合ったものも多い。日本ではケーナ、サンポーニャ、チャランゴ、ボンボなどで演奏される「コンドルは飛んで行く」のようなアンデス山脈の音楽がよく知られているが、もともとこれは民謡風に作られたペルーの歌曲。1960年代にビオレッタ・パラ(Violeta Parra 1917~67)、ビクトル・ハラ(Victor Jara 1932~73)、アタウアルパ・ユパンキ(Atahualpa Yupanqui 1908~92)、エドゥアルド・ファルー(Eduardo Falu 1923~)らが作ったヌエバ・カシオン(新しい歌)の潮流も日本ではフォルクローレとして紹介された。ベネズエラのホローポ、チリのクエカ、アルゼンチンのチャマメ、チャカレーラ、サンバ、メキシコのソン・ハローチョなど地域ごとに特色を持ったフォルクローレが数多くある。