ブラジルのポピュラー音楽。1958年の「想いあふれて」がボサノバの最初のヒット曲。外交官で詩人のヴィニシウス・ジ・モラエス、作・編曲家アントニオ・カルロス・ジョビン、カーニバルの音楽サンバのリズムをギターに凝縮して弾き語りするジョアン・ジルベルト、この三者の出会いが、都会的で洗練されたサンバともいうべきこの音楽を生んだ。60年代中期にブラジルでの人気は衰えたが、アメリカやフランス経由で世界に広まり、ジャズに大きな影響を与えた。現在もラテン系の音楽の中では最も人気のあるジャンルで、「イパネマの娘」はビートルズの「イエスタデイ」に続いて最も多くの人にカバーされた曲として有名。他に「ジザフィナード」「ワン・ノート・サンバ」「三月の雨」「小舟」「サマー・サンバ」「マシュ・ケ・ナダ」など数多くの曲がスタンダードとして知られている。