アンビエント・ミュージックともいう。もとはイギリスのロックミュージシャンでプロデューサーのブライアン・イーノが、1978年のアルバム「ミュージック・フォー・エアポーツ(Music for Airports)」から始めた一種のBGM(バックグラウンド・ミュージック)の作品シリーズにつけた名前。従来の明るくて軽くて画一的なBGMと違って、「特定の場所や時」「さまざまな気分や雰囲気」に対応し、「落ち着きや思考を誘う」「画一的でない」音楽と、イーノはそのライナーノーツで説明している。エリック・サティの「家具の音楽」、ジョン・ケージの「不確定性の音楽」、テリー・ライリーやスティーブ・ライヒのミニマル・ミュージックなど、現代音楽の先行作品と関連づけられることも多い。エレクトロニックなダンス・ミュージックの世界で、アンビエントといえば、アンビエント・テクノやアンビエント・ハウスなど(→「ハウス/テクノ」)、踊り疲れたときに休めるような、ビートが控えめな音楽を指す。