1936年アルジェリアのオランで生まれた。17歳でパリに出、国際羊毛事務局のコンテストで、審査員であったクリスチャン・ディオールに見いだされてアシスタントに。ディオール没後、主任デザイナーに抜擢(ばってき)。デビュー作「トラぺーズライン」(→「トラペーズ」)で一躍世界的な注目を集めたが、兵役のため中断。1962年にオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立。66年にプレタポルテライン「イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ」を開店、現在に続く高級既製服時代の扉を開いた。「スモーキング」「ポップアート」「サファリルック」など、スポーティーでエレガンスあふれる作品で、「モードの帝王」と呼ばれ、レジオンドヌール勲章、デドール賞などを受けた。体調不良のため、2001年1月のオートクチュールをもって引退し、08年6月1日に71歳で死去。「ファッションは廃(すた)れる、だがスタイルは永遠」という言葉を残している。