ファッションデザイナー、映画監督。1962年アメリカのテキサス州生まれ。パーソンズ・スクール・オブ・デザイン卒業後、ペリー・エリスを経て、グッチのデザインスタッフに。94年グッチのクリエイティブディレクターに就任。服のデザインにとどまらず店舗デザイン、インテリア、ブランドコンセプト、マーケティングまで携わる「クリエイティブディレクター」を名実ともに具現化し、その後のクリエイティブディレクター続出、いわゆる「トム・フォード・シンドローム」のきっかけを作った。また、グッチのルネッサンスと呼ばれる第二の最盛期をつくりあげ、さまざまなファッションアワードを総なめにした。2001年からイヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュのクリエイティブディレクターを兼任。オーナーの資本関係が変化したため、03年に辞任。05年にグッチ時代のパートナーであるドメニコ・デ・ソーレとともに「Tom Ford」社を創立、同年エスティ・ローダーとの協業で「トム・フォード・フォー・エスティ・ローダー」を発表、またマルコリン社とサングラスを発表。06年エルメネジルド・ゼニアと紳士服、靴の製造販売ライセンス契約を締結し、2006~07年秋冬コレクションからアメリカ国内のみで販売開始。07年トム・フォード・ジャパンを設立。08年より新ライン「スペンサー」をスタート。イギリス調を基本にしたスタイリッシュで男性のセクシーさを引き出した服は、独自の華やかな魅力を放ち、「007」などの映画のヒーローが着用した。日本でも09年伊勢丹メンズ館インショップとして、メンズのフルラインとオーダーメードを開始。阪急メンズ館でも売り場をオープンした。中国を中心にアジアに大型店を出店中。11年よりレディースウエアをスタート。成熟した女性をターゲットに25歳から75歳までを想定している。映画監督としても09年に長編映画「シングルマン」を撮り、主演のコリン・ファースがイギリスのアカデミー賞主演男優賞などを受賞するなど才能を知らしめた。