神戸に本社を置く真珠の加工販売を行う旧・田崎真珠。CI(コーポレート・アイデンティティー)により、ブランド名をTASAKIに変更した。創業は1954年で、ミキモトと並ぶ真珠の老舗だが、2005年以降赤字経営が続き、創業者一族が退任。独立系ファンドの傘下に入り、経営再建を図った。グッチやディオールなど欧米ファッションブランドの再構築を成功させた田島寿一(としかず)を09年に社長に招聘(しょうへい)。就任以降、卸を大幅に縮小、小売りビジネスの拡大を図るなど、ビジネスモデルの再構築を行い、ブランド名、社名も変更した。13年には黒字転換が予想されている。旗艦店である銀座店をはじめ、全国の店舗をリニューアルし、クリエーティブディレクターにニューヨークコレクションで活躍するタクーン・パニクガルを迎えるなどして大胆なオリジナル商品を発表。「バランス」などのヒット作を送り出し、コピー商品が出回るほどの人気となった。同時に1994年に獲得した「サイトホルダー(世界大手のダイヤモンド原石の供給元デ・ビアスグループから直接原石取引が出来る資格)」や、自社研磨工場はハイグレードの「3EX(トリプル・エクセレント)」の評価を得ていることを生かし、ダイヤモンドの価値提案を推進する「Timeless Messege」のプロジェクトも開始。ダイヤモンドを真珠と並ぶ主力商品として位置づけている。