1968年ベルギー生まれのファッションデザイナー。工業デザインの大学を出ているが、ファッションの正規教育は受けていない。独学で「ラフ シモンズ(RAF SIMONS)」のコレクションを1995年より開始。2005年より2012~13年秋冬コレクションまでジル・サンダーのメンズ、レディース両方のクリエイティブ・ディレクターを務め、カラフルな独自の色使い、革新的な素材を、得意なミニマルデザインで提案する画期的なスタイルが成功を収め、任期最後のコレクションでは、スタンディングオベーションが湧き起こったほど惜しまれた。12年、ジョン・ガリアーノの舌禍事件で空白となっていたディオールのアーティスティック・ディレクターに就任。彼のシャープな持ち味が、ディオールのブランドの個性に適しているかどうか賛否両論だった。12~13年秋冬オートクチュール、13年春夏プレタポルテコレクションを経て評価は上昇したものの、わずか3年半で退任。「ファッション以外のことについても関心がある」と述べている。ラグジュアリーブランドの最高峰をあっさり退任した潔さは驚きとともに、好感を持って受け入れられた。その後ニューヨークのカルバン・クラインのクリエイティブ・オフィサーに就任。以来一貫して「アメリカ」をテーマとしたコレクションをメンズ、レディースともに発表している。