正式名称は、チェスターフィールドコート(Chesterfield coat)。ウエストをやや絞ったシルエットで、本来はひざ丈程度の紳士用コート。19世紀にチェスターフィールド伯爵が初めて着たのが由来とされる。テーラード襟で、上襟がベルベット使いになっていてエレガントな雰囲気。打ち合わせはシングル、ダブルの両方があるが、正式には比翼仕立て(隠しボタン)が使われる。女性用としても基本的なコートの一つ。2012年以来、チェスタータイプの丈のバリエーションが広がり、ロングジャケットタイプからひざ下丈タイプまで人気を呼んだ。黒、グレー、キャメルが人気カラー。景気低迷を反映してか、堅実な「英国調」の人気は継続し、チェスターコートは日本ではOLを中心に人気アイテムとなった。メンズではチェスター一色と言ってよいほどショート丈から普通丈までが人気で、若い層ではニット帽、キャップにスニーカーを合わせるというカジュアルな装いが席巻した。モード系では、ツバ広帽との組み合わせが大流行した。継続する人気の中で17年には、デザイン派が登場。派手なカラーチェックや、ビッグサイズ、袖や襟の切り返しなどが店頭で目立ったが、実際は定番チェスターをスニーカーやキャップなどでカジュアルダウンする着こなしが圧倒的に多い。