2016年春夏コレクションで多く見られたトレンド。ペザントとはフランス語で農民の意味。洗いざらしのようなくすんだ小花柄やティアードスカート、パフスリーブの袖(そで)にレースアップのネックラインのブラウスなど、伝統的な農家の女性のような素朴で女らしいスタイルを指す。もともとは、1970年代にKENZO(高田賢三)がパリで発表し、一大ブームとなったファッション。当時、小花柄などに加えて日本の伝統的な着物柄「麻の葉」や「青海波」なども柄の一つとして提案され、西欧から見たキゾチズムとフォークロアがミックスされた作風は70年代らしい異文化のミックスの象徴となった。2016年春夏コレクションでは、素朴さよりもガーリッシュな感覚が打ち出され、異なる小花柄のミックスのドレスやスカートに、バイカーズを合わせたCOACH(コーチ)など、ロック気分を一盛りしたモダンなコーディネートに人気が集まった。