現在古着として注目されているのは、従来のようにアメリカ、ヨーロッパから仕入れる古着屋が取り扱う古着ではなく、消費者同士がモバイルのアプリを通して売買する個人間取引で扱われる古着を指すことが多い。ヤフオクがはしりだが、スマートフォンの普及により、フリマアプリの「フリル」「メルカリ」がより簡単で、手頃に売買が可能になったことにより、市場が拡大。ファッションECのトップ、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)もユーズドを取り扱う「ZOZOフリマ」を展開している。また、ビームス、ユナイテッドアローズ、ロンハーマンなどの大手セレクトショップでも古着を品揃えに取り入れ始めた。1990年代のブームと異なる点は、当時を知らない若い世代に一点ものの古着をオリジナルや仕入れブランドと組み合わせて提案、新品と合わせて古着を買い求める若い世代が増加した。2016年5月には、三越伊勢丹が老舗の古着ショップ「DEPT(デプト)」のポップアップショップを期間限定で、伊勢丹新宿店と銀座三越店にオープンするなど、古着をてこに新たな客層を取り込む動きが見られた。特にメンズのトレンドがスニーカーを筆頭に、1990年代のストリートをテーマとするものが多かったため、当時の流行が古着への注目にもつながっている。