顔面に皮膚病変を有する患者に対するメーキャップ療法と指導のこと。あざなど病変部位をメーキャップでカバーすることで日常生活の生活の質(QOL)が向上することは以前より経験的に知られており、欧米ではメーキャップによるカバーは皮膚科と形成外科の医療に準じた専門技術となっている。日本でも、臨床試験でその有用性が確認され、医療現場におけるメーキャップの有用性が社会的に認知されるようになった。また、化粧がもたらす心理学的な効果により、心理的・生理的な治療となることを期待して行われるものを化粧療法(cosmetic therapy)という。顔面に疾患のある患者の心理的援助として有効であるだけでなく、老人ホームでのリハビリテーション、リラクセーション効果によるストレス解消、更年期の軽うつ解消など、その適用範囲は広い。