北海道後志支庁管内のニセコ町や倶知安町など、ニセコ山系のスキー場や温泉などを中心とする観光エリアの総称。2002年ごろから、オーストラリア人スキー客が急増。05年には7696人に達し02年の10倍強、01年の214人と比較すれば36倍にも達している。人気の理由は、雪質がよく、時差がなく、カナダやヨーロッパより近いことなどが挙げられる。オーストラリア人の平均宿泊日数は10日なので、延べ人数は実数の10倍となる。オーストラリア人による不動産投資も活発化し、コンドミニアムの建設ラッシュなどにより、住宅地の05年地価上昇率は33.3%と、全国一となった。このブームの特徴は、行政や旅行会社が仕掛けたものではなく、口コミによるということ。1980年代後半から、ニセコでスキーインストラクターをしていたオーストラリア人の口から、雪質をはじめとするニセコの良さが徐々に広まっていったのだという。彼らは現在もニセコでアウトドア会社を経営し、スキーシーズン以外には、専用ゴムボートで川を下る「ラフティング」などのメニューを提供して、ニセコの通年リゾート化に一役買っている。このようなブームの一方で、昔からの商店街が取り残されていくといった問題点も浮上している。また、2008年夏以降の急速な円高豪ドル安基調の中で、オーストラリア資本がどう動くか注目される。