正式名称旭川市旭山動物園。近年「行動展示」と呼ばれる手法で注目を浴びる北海道旭川市の市立動物園。大きな水槽を横切る透明なトンネルの中から、空を飛ぶように泳ぐペンギンの姿が見られる「ぺんぎん館」や、太い円柱形の水槽の中を上下に行き来するゴマフアザラシの姿が間近に観察できる「あざらし館」、あるいは目の前に豪快に飛び込んでくるホッキョクグマも人気の的だ。このように動物の生きた生態を間近に見られることが人気を呼び、2006年夏(7~9月)の入場者数は東京の上野動物園を抜いて日本一。開園40周年を迎えた07年度(4月1日~08年3月31日)は年間307万人を突破し、開園以来の通算入場者数も2600万人を超えた。08年6月には「オオカミの森」を開設、09年春には「エゾシカの森」も完成予定である。ジャイアントパンダもコアラもいない地方都市の動物園の成功は、入場者の減少に悩む全国の動物園にも影響を与え、「旭山流」の行動展示は全国の動物園や水族館に広がりつつある。